■スポ少に潜む「空気」問題
スポ少には、暗黙の空気がある。
スポ少の
ボスママ機嫌
損ねるな
郷に入りては郷に従え
そんな無言の掟が、ピリピリと肌に触れる。
■「大丈夫」なんて誰が言った?
ボスママということは、お子さんは最高学年。
つまり、もうすぐ卒団される方だ。
「大丈夫大丈夫!あとちょっとの辛抱ですよ〜」
「笑顔で挨拶だけしておけばいいんですって〜」
「どうせ卒業される人ですからぁ!」
たしかに、そうかもしれない。
心の中の声も励ましてくれる。
でも——
私は全然、前向きになれなかった。
■気づかぬうちに、心が疲れていた
ちょうどその頃は、仕事も忙しく、
睡眠時間も減っていた。
でも、子どもが頑張っている。
先生方も誘ってくださる。
気にかけてくれる優しいママもいる。
入ったものを辞めるとも言えない。
「とにかく、6年生までは……」
そう覚悟を決めたのは、自分だったはず。
■笑顔の裏で、自分が消えていく
剣道に行く日は、車の中で
「よし!」と声を出して、ものすごく自分を奮い立たせる。
道場に着いたら、笑顔で挨拶する。
やれる。今日も、やれる。
でも家に帰ると、
抜け殻のようになって、何もできない。
ふと気づいた。
「あれ? これって、高校時代剣道部でも同じことしてた気がする。」
■頑張り続けた、その先に
笑顔は仮面だった。
抜け殻は、本音だった。
でもそれでも——
私はまた、あの道場へ向かっていく。
つづく。
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